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      (大仏ハイキングコースから由比ヶ浜)
 近頃ゴールデンウイークという言い方をあまり聞かなくなり、大型連休などといいます。ウイークを越える連休だからでしょうが、ややお上指導のきらいがあり、ちょっと情けない気がします。本来休暇は自主的に取るのが望ましく、国民一斉に実施すると弊害も大きいことが指摘されています。また、子供の学校を休ませることにひどく抵抗がある傾向にも疑問を感じます。
病気や慶弔時はともかく、遊びに行くのに休ませることにためらいがあるようです。
遊びの効用は、学校の学習よりもずっと有意義なことが多いのですが、これはどうも世間相場に問題がありそうです。

それで、連休の過ごし方ですが、予約不要で、人混みを避け、マイペースでリフレッシュする方法を考えましょう。一番理想的なのは農作業に当てることです。丁度この時期は遅霜にも合わず種まきや苗の植付けに最適です。それには予め家庭菜園を確保しておくとか、農家の知り合いを作っておくとかしなければなりません。

その点、西欧ではクライン・ガルテンと呼ばれるうまい制度があります。かなり広い面積に宿泊できる農作業小屋などを建てて家族全員で農作業を楽しみます。
日本にも、これに類した活動を展開しているところもありますが、実情はかなり営利に偏っているきらいがあります。

西欧では、産業革命のおり地方の人たちが都市部に集中し、その結果いろいろな問題が発生しました。この中で特に深刻な事態は、ある種の神経疾患が多発したことです。そこで国レベルの対策がとられ、そのなかに、勤労者には週一度は土に親しむ環境を与えないといけないとされました。

国によっては法制化もされて、英国、ドイツを筆頭に工業先進国ではこれを機にクライン・ガルテンのようなシステムが確立されました。国の補助や貴族階級からの無償の土地提供もあってきわめて安価に手に入れることができます。日本では土地の値段がバカ高いので同じようにはいきませんが、最近は地方活性化の一手法として検討されているようですから少し明かりが見えてきました。

土いじりはどうもと敬遠する方もいるでしょう。そういう方にお勧めなのは、例えば東京見物です。この時期、都心の交通はガラガラ状態となりますから移動がとても楽です。タクシーも最大限利用できます。こういう時に普段気になっていた処を巡って歩くと新しい発見が次々と出てきます。

都会は見飽きたという方のには、近場の観光地を別な方法で楽しむのはどうでしょうか。例えば鎌倉の場合、周囲を100m程の山に囲まれていますが、そこはハイキングルートになっています。大仏ハイキングコースが有名ですが、それに連なる山も山道がついていますからどんどん歩きましょう。海が見えたり、富士山や箱根・丹沢の山塊が望めたりと変化に富んでいます。

こういう時にはピクニック・ランチに限ります。今はコンビニで手軽に入手できますから利用しない手はありません。のびやかな景色の中で採るランチには格別な味があります。つまり、空気や雰囲気が味付けをしてくれるのです。

歩いていると、道普請や樹木の手入れをしている人達に出会うかもしれません。そういう時には労いの言葉かけましょう。彼らにとっては何よりの励みになります。ひょっとすると、相手が私達のグループ「鎌倉、峯山の会」だったりするかもしれません。それをきっかけに交流が生まれてグループ活動に参加することになり、一気に活動が活性化される・・・・と喜んだところで夢から覚めました。

現実の問題として、この種の活動には市民グループが自ら拘わらないと事態は何も改善されません。ボランティア活動は、何も災害時ばかりに役立つだけではありません。自分たちの生活環境を改善することにももっと目を向けて、次世代に引き継ぐことが求められている思います。ボランティア活動に時間を割くのが一番の過ごし方かもしれません。        

     >>>>エッセイ放生記 毎月二回(1日、15日)発行予定<<<<
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